1950年代にかけて、世界経済は急速に復興を遂げます。ヨーロッパでは欧州共同体(EC)の発足をきっかけに生活水準が向上。消費の時代が幕を開けようとしていました。一方、アフリカ諸国は次々と独立を果たし、新しいマス・マーケットを作り上げていきました。ユニリーバは、ユナイテッド・アフリカ・カンパニーを通してアフリカ諸国向けの製品を製造。アフリカ諸国でのビジネスの成功は、ユニリーバの成長だけでなく、現地の製造業の発展にも結びついていきました。
また、この時代は、新しい科学が暮らしの中に生かされるようになった時代でもありました。ユニリーバはそれまで以上に積極的に研究開発に取り組むようになります。イギリスのポート・サンライトに置かれた研究部門「ポート・サンライト・リサーチ」は、イギリス・オランダの研究所を管轄する総合研究所として生まれ変わりました。さらに、オランダには、現在の「ユニリーバ・ヘルス・インスティチュート」の礎である研究グループが作られ、栄養や健康についての研究開発に携わるようになりました。ユニリーバから現在も販売されている「フィッシュフィンガー」は、この時期に開発されたものです。この他にも、配給制度の下、限られた材料で栄養豊かな食品を食卓に届けるため、いろいろな形態の食品が開発されました。
さらに、1950年代には当時急速に普及したテレビがマーケティングに使われるようになりました。ユニリーバでも1955年に初めてのテレビCM「ギブス SR歯みがき」を放映しました。翌1956年のクリスマスにはロンドン動物園で開かれたチンパンジーのティーパーティーからヒントを得て、紅茶ブランド「PGティップス」のテレビCMにチンパンジーを起用。当時としては画期的なCM が大人気になり、「PG ティップス」はイギリス最大の売上を誇る紅茶ブランドに成長しました。

