>レイ・ブレムナー
最高責任者
30年程前の入社時の興奮を忘れることはない
私は大学院でギリシア語やラテン語などの古典文学を専攻し、卒業後の1979年にユニリーバに入社しました。
もう30年程昔の話ですが、日々の生活の中で目にしていた、誰もが知っているブランドに携わることになった興奮を今でも覚えています。ブランドの背景にあるマーケティングの世界を探索したいという意欲を持って、仕事に臨んでいました。
以来、これだけの長い間ユニリーバ一筋で勤務してこられたのは、ひとえに一緒に働いてきた人々のおかげでしょう。同僚、上司、部下とも、これまですばらしい人たちに囲まれてきました。もちろん現在もです。そしてグローバルな会社ならではの、さまざまな異なるチャレンジを経験させてもらえたことも大きな理由のひとつです。入社以来、イギリス、アメリカ、サウジアラビア、イスラエル、エジプト、南アフリカ共和国、シンガポール、そして日本と、文化や生活習慣、マーケットが大きく異なる国々で仕事をしてきましたが、このような経験は、ふつう転職をしなければ得られないような、バラエティに富むものです。ユニリーバに入社したおかげで、会社を変わる必要もなく、仕事に飽きずに、ずっとやってこられたのです。
成功と失敗をわけるのは、勝利への意欲
私のキャリアのなかで、一番貴重な経験と言えるのはエジプトでのビジネスです。赴任した当時、業績は過去5年間にわたり減少傾向にありました。これを私は積極的経営に転じるべき、として、初年度で年率15%成長、その後の4年間で2倍の規模にするという成功をおさめました。これはものすごく達成感を感じた仕事でしたね。周囲の誰もが、可能性すら考えなかったポジションへ一気に導くことができたのですから。
私は、成功と失敗を分けるのは、勝利への意欲だと信じています。自分たちが勝つのだ、と決めたならば、コミュニケーション(広告・宣伝)でどんな方法が必要か、どうオペレーション(実施)していくか、そういった武器や道具を探し出し、“勝つ”という二文字以外をもたないマインドセットで考えることです。
市場環境・状況はあまり重要ではありません。むしろ、自分たちのおかれているビジネスの状況、そして市場で勝てる潜在能力があるのか…という見極めのほうが大切です。私の経験から1つ例を挙げるとすれば、中東で仕事をしていた頃のことですが、当時、中東では紅茶以外の飲料がほとんどなかったこともあり、必然的にリプトンはNo.1ブランドではあったものの我々のビジネスは伸び悩んでいました。価格やコミュニケーションがまったく機能していなかったのです。そこに気付いてからは、業績をさらに伸ばすことができました。経済環境は変わらずとも、我々のほうが変われば、よりよい結果を導き出すことが可能なのです。
どんなキャリアを築けるかは、どんなキャリアを望むか次第
就職をする時には、今後どのような人たちとどんな環境と働きたいのか、どの分野で力を発揮したいのかを考えると思いますが、私自身のことを振り返ってみれば、ユニリーバにはすべてが揃っていました。すばらしい人々に囲まれながら、世界でもっとも知られたブランドに携わり、また適材適所を効率的に実施する組織で働くことができています。
どういうキャリアを築くことができるか、質問されることも少なくありませんが、その答えは1つ。“あなた自身が何をキャリアに望むかです。”と。会社も機会提供という意味では責任の一端を追っていますが、その機会を求め、どう活かすか、ということは、それぞれ自分自身の責任において判断していくことだと思います。
ユニリーバにはあらゆる機会が揃っています。海外に飛び出て働きたい人もいれば、自分の国で腰を落ち着けて仕事をしたい、という人もいるでしょう。また勤務地は自国内であっても国際的な仕事をしたい人もいるでしょう。そういった多彩な意欲や希望に対して、ユニリーバは機会を提供することが可能だと思います。
多様性を踏まえた真の国際性を
ユニリーバは、おそらく世界で最初の、そして最大規模の多文化企業ではないかと思います。創業当初から、さまざまな国で事業を展開する際には、その国の文化や信条を重視して会社を設立していきました。例えば南アフリカのユニリーバは南アフリカの文化が色濃く反映されていますし、インドはインド風、オーストラリアはオーストラリア風の企業文化をしっかり保っています。世界各地にイギリス風を押しつけるのではなく、その地で働く人々が“違和感なく”仕事をこなすために、まず多様な価値観を認め合うこと――これはユニリーバの大きな特徴と言えます。
また、ユニリーバには消費者重視の風土があります。我々が初めて世に出した製品は、主婦が家を清潔に保ち、子供を細菌や病気から守るためのものでした。以来、ブランドを通して世の中の役に立つこと、消費者の暮らしに大きな好影響を与えること、それがミッションなのです。それを推し進めるためにも、世界各地の、それぞれの消費者を理解し、それぞれのニーズにマッチした製品を生み出すこと、そのためには多国籍の視点に立って世界を見据えることが必要です。ニューヨーク、ムンバイ、上海、東京…どこで働こうとも、そこに暮らす消費者の気持ちを理解できること、それこそが本当の意味でのインターナショナルなマインドセットであり、それがなければ我々に成功はないでしょう。
私たちが求める人材とは
日本市場の醍醐味は、多数の競合各社がひしめく競争の激しさにあります。“勝つ”のが容易ではないからこそ、それを達成した時の喜びはより大きいものになるはずです。このビジネスを成功させるためには、日本の文化や思考、日本で暮らす人々についての深い洞察力と、日本の消費者にどういった変化をもたらすべきか、を考え抜くことが必要です。そのためには、お客様の“あったらうれしい”を我々と共に考えることができる、想像力豊かでクリエイティビティの高い人を求めています。また、オープンで、明るく、正直で、裏表がないことも大切です。そういった人であれば、成長を続けるユニリーバのビジネスで働くことに充実感を得ることができると思いますし、同時に、西洋の考え方やベストプラクティスに日本独自のスピリットを掛け合わせていくことから、たくさんのことを学ぶことができるはずです。中長期的な視点でみれば、そういった経験や知識こそが、将来のユニリーバ・ジャパンを創っていくものだと確信しています。
レイ・ブレムナー キャリアパス
1979年 ユニリーバに入社
1990年 リプトン インターナショナルのマーケティング&セールスダイレクターに就任
1992年 ユニリーバ アラビア(在ドバイ)食品部門のマーケティング&セールスダイレクターに就任
1996年 ユニリーバ・イスラエルの会長に就任
2001年 ユニリーバ・マシュレク(在エジプト)の会長に就任
2005年 ユニリーバ・アジア(在シンガポール)のマーケティング オペレーションシニアバイスプレジデントに就任
2009年9月 ユニリーバ北東アジア最高経営責任者(CEO)兼 ユニリーバ・ジャパン(株)代表取締役 最高経営責任者(CEO) に就任